浄土宗葬送儀礼講座1

当寺本堂にて平成27年10月10日13時〜16時公開講座が遠近のご住職や若い僧侶の皆様が参加され法務研修が行われました。今私たちが葬儀で行う意義作法(葬儀式の典拠)がお釈迦さまの事が書かれた大般涅槃経 大正①206〜207や仏説浄飯王涅槃経大正14〜782の中から、導師の所作や看取り・湯灌・納棺・下炬・火葬荼毘の典拠があると解説されました。よくテレビで「どこかの住職・僧侶が仏教は昔葬儀をしていなかった」とよく言われますが、そこを「私も知りたかったので」他の過去の資料(法然上人の没後起請文・観無量寿経第16巻の一説を交え説明をされました。)私たち住職ももう一度浄土宗の葬送儀礼を仏教経典の典拠や本来の意味を勉強しなくてはなりません。仏教と葬送儀礼はお釈迦さま時代から深い関わりがあり、また浄土宗にも中国の祖、善導大師の葬儀(宋高僧伝)や法然上人の没後起請文と日本仏教も十三仏信仰が信仰され昔から葬儀や年忌があり亡くなられた人々を供養されました。 講師 法儀司 大澤亮我先生 亀岡 大円寺住職

※奈良時代の南都六宗「三論宗・法相宗・成実宗・倶舎宗・律宗・華厳宗」(仏教の教理研究する教団というよりは集まり・派)は鎮護国家として、仏教を取り入れた国の管理する官僧(官僚僧)は葬儀に関わることができなかった。但し私度僧としてその時代でも葬儀に関わった。昔とはどの時代を言われるのか?

葬儀・家族葬・直葬2

葬儀に思うこと2
当寺でも檀家や信徒の中に家族葬や直葬がありました。その一例を紹介したいと思います。その方は生前には当寺の本堂諸堂の再建に貢献された遠方ではありますが、当寺の法要行事にはその都度御先祖の供養をされていました。3年前の棚経の時に、相談を受け自分が死亡した時には葬儀場での葬儀(告別式)はせず、寺で法要形式の葬儀をしたい旨を聞き、その後2回程相談を重ね住職も了解をしました。亡くなられた時には本人の希望通り病院から一旦は葬儀社の安置室で住職のもと枕経をして、翌日火葬(荼毘)してから、夕方お骨は当寺にお迎えしその日に通夜(灰葬回向)をして、翌日は本堂にて葬儀(本葬)をしました。もちろん寺での司会や葬儀に関わる準備はなく普通の法要形式で葬儀をしました。奥様やご子息は本人の希望でもありましたので、納得し浄土宗の意義作法で、厳粛な葬儀ができました。お参りは親族ご親戚のみの20名ほどでした。もう1件はこの方も生前にはご本人の先祖の供養を彼岸・盆と先祖の供養はされていました。また本堂諸堂再建の時にも協力も頂きましたが、ご本人の意思で、葬儀はぜず、そのまま火葬にするよう奥様とご子息にも遺言として言われていました。その後その方は亡くなられて、1ヶ月経ち奥様とご子息が寺に相談に来られ住職がご本人の死亡を知ったわけです。相談とは「俗名のままではどうも落ち着かないと戒名が頂きたい」ということである。亡くなられたときは、必ず住職に連絡を頂くことを伝えました。看取り(臨終の念仏)から枕経・通夜・葬儀その後の供養と法要の意味を色々と説明をしましたが、日頃からの付き合いがいかに大切な事か改めて思いました。住職の思いと檀信徒の皆様の考えが通じ合わないこともございます。色々な葬儀がありますが、質素ではあるが、厳粛なこころある葬儀ができるよう親が子に伝え、菩提寺の住職にも事前に相談して頂ければ色々と「アドバイス」ができます。お気軽にご相談下さい。浄土宗の「縁(えにし)の手帖」は、寺と檀信徒の皆様と、生者と死者と、また親と子との縁を結んで頂く手帖です。
原価(100円)でお分けできますが、浄土宗の檀信徒用に合わせたものです。寺まで連絡下さい。