お寺あれこれ 15

花祭りWEEKK   in  KAMEOKA    当山での出来事
4/29〜5/8 の期間に亀岡市仏教会主催の「花祭りウィーク」と題して協力寺院48ヶ寺で拝観・法話・座禅・写経などが行われました。当山でも本堂に花御堂に誕生仏を祀り甘茶供養とお参りができるよう開放しました。多数のお参りをお待ちしていましたが、日に3件程度でこの期間中30名ほどの参拝者で した。特にお参りの方には本堂内の拝観と朱印をご希望の方は寺務所に連絡を下さい。との掲示板をして置きました。その日は午前中は法事でしたので、本堂での警備センサーを切って状態です。法要後は警備のスイッチを切ったまま本堂正面は開放していました。12時前後に住いの警報システムに気が付きスイッチを入れようとしたときに、妻が内陣にもう一つの警報センサーの音が「カチ」したので、急いて本堂に私住職と妻二人で走っていくと不審者が災害募金の箱からお金を取り正面の花御堂を飛び超え山門から逃げていきました。服装の色が上下グレイ色のジャージ姿で白色の運動靴を履き走って逃げていく後姿を確認できたので、いったん寺に戻り妻に警察に連絡するよう頼み、私はバイクで追いかけ近くの大手スーパー店横の信号先で追いつき、不審者に「あんた、本堂で何をした。」と声をかけ止めると、その男は、すいません帰るお金がないから・・・お金を返します。許して下さい。」気の弱そうな悲しい顔をしていたのです。そのお金はなあー震災に遭われた人たちのために頂いたお金なんやーと私が言うと、財布から盗んだお金を取り出し私に返しました。なんとも悲しそうな眼をして謝るので、二度としないことをその男に言い彼を許しました。その後すぐ寺に帰ると警察の方が3人来られて現場検証されて、私住職の報告を聞き、私の対応の仕方に注意をされ帰られました。私も通行人に呼びかけ、その場で警察官が来られるまで、犯人と待っていたら良かったかもしれませんが、実際のところ体力にも自信がなくその男から距離を置くことしか頭になかったようです。心の中は怖いものです。住職としてどういう対応がよかったかわかりませんが、そういう人間こそ話をしてその人の心の悩みや悪い心を正すのが仏の道です。しかし聞く耳を持たない者は馬の耳に念仏です。その男は盗んだお金は返しましたが、その顔は「なんとも悲しい眼をしていました」順風満帆な人生を送った人はあんな顔はしません。なにか言うに言われない人生を送ったのでしょう。立ち直ってほしいものです。当山のような小さい寺は人が寄ってもらわないと阿弥陀さまも住職もさびしいものです。都会で繁華街の寺では山門が閉まってインターホンがあるところが多いですが、仕方ないかもしれません。当山も15年ほど前に仏像2体が盗難に遭いました。それ以来警備会社の警報システムを入れています。もっと皆さんにお参りにきていただきたいのですが、平素からお寺の本堂が閉まっていることは閉鎖的でさびしいものです。私が以前おじゃましたお寺さんは「檀家さんや地域の皆さんがいつでもお参りがでるよう本堂は開けています。夜中であろうが朝方であろうが本堂のお燈明が24時間ついていますよ」とあるお寺の奥さんが言っておられました。そんなお寺の阿弥陀さまや檀信徒の皆様や地域の皆様は幸せですね。それと腹が据わった住職でないとできないことです。とてもわたしにはできません。