お寺あれこれ 21

7月23日 別時念仏
午前10時から別時念仏と茶話会を致しました。参加者は12名でした。暑さ厳しい折ご参加頂きまして有難うございます。8月、9月は盆施餓鬼会と彼岸会が続きますので、次回の別時念仏は10月23日です。多数のご参加をお待ちしています。
別時念仏と法話(盆と施餓鬼会)が終り茶話会である檀家さんから、盆の故事である「盂蘭盆経説話」の内容について、率直にご意見を述べらえれました。副住職にその檀家さんが、法話(説話)の中で、「なぜ僧侶にお供えをし供養をしなければならないのか、それを僧侶自身が言うのは、何か違和感を感じる。供養はお金を持った者しかできないのか。」とご自分の意見を言われたのであるが、途中から意見を言うのも難しいものです。お盆はご先祖の精霊と共に、ふだん供養されない無縁の精霊や餓鬼(私たち人間は、自分の家を建てるのに動植物を排除していることは、動植物にとっては勝手なことです。)にも供養をするのです。と住職として言わせていただきましたが、ご理解されたようには思いません、改め盆の資料を確認して私の考えをまとめた上で話したいものです。

盆の由来を調べる。
お盆は『仏説盂蘭盆経』を根拠にしています。その経典の内容は下記の通りです。
①目連尊者は神通力で、亡くなった母が餓鬼道に堕ちて、苦しんでいることを知る。
②目連尊者は救いをお釈迦様に求めた。目連一人ではどうすることともできない、幸いに7月15日が僧自恣の日で大勢の僧侶が一堂に集まるの
で、衆僧に供養して回向を頼めば、亡母は救われると説く。
③盂蘭盆会が営まれる。「陰暦7月15日 十方衆僧自恣の日」
④亡母はその功徳によって餓鬼の苦しみより離れ救われる。
⑤釈尊は、未来においても孝順のために盂蘭盆会の供養をささげれば現在の生みの父母、過去七世の父母にその功徳は及ぶと教えられ、毎年7月15日に盂蘭盆会を進める。
⑥その場に集う釈尊の弟子たちはその教えを聞いて心から喜び、その教えを実践に移した。

以上の経典の内容からみても、餓鬼に堕ちている亡き母を救済する方法としてお釈迦さまが目連尊者に教えたのは、7月15日の衆僧自恣の日「夏安居の最終日」です。これをを分かりやすく説明しますと、インドでは長い雨期「4月16日~7月15日」スコールがあります。この期間は布教伝道できなくなります。この期間はお釈迦様のお膝元「祇園精舎」に仏教の教団(サンガ)が集まり、雨期90日間、お坊さんの修行(再教育や講習会)をします。これを安居と呼んでいます。その安居の最終日に、自らの行いを懺悔し反省して、師匠の許しを得て、身も心も清めて再出発する日です。インド全域に布教伝導(遊行)に出発される日です。お釈迦様が目連尊者に教えられたのは、7月15日の十方衆僧(修行中の僧侶)に百味の飲食を供養すれば、十方衆僧の修行で得た道力をもって呪願すれば、その功徳善根の力を振り向けることによって、自ずと餓鬼道に堕ちている者も救済されるということです。これは仏教徒にとっては歓喜する日でもあります。続く