お寺あれこれ 23

お盆棚経 終わり
檀信徒の皆様と言葉を交わす機会というと、年一回、この盆棚経参りの時だけです。寺の行事や法要にお参りに来られる方以外はほとんどお顔を見ることがありませんので、この棚経が私住職にとっては楽しみでもあります。たとえ時間がなくお勤め以外にかわす言葉が、「暑いですね」という一言だけでもその方のお顔が拝見できて、お元気な様子が確認できれば私自身も安心します。またこの棚経にお伺いすることは、檀信徒の皆様の人生模様の一コマを見ることができます。古いクーラーをつけて頂き棚経を待って頂く方、住職を来るのを待っていただくおばあさん、クーラーがなく住職の背中をうちわであおいでくださる方、私自身はもったいなく申し訳ない思いです。またご夫婦、お爺ちゃん、おばあちゃん、お孫さんの家族一同住職と一緒に棚経のお勤めにお参りをされる方も何軒かおられます。また住職が来る時間をみはらかって仏壇の燈明と線香をつけてくださる方、棚経が終われば、後ろにお茶が出されお布施がおいてあり、私がお勤めおわりましたよー、と声をかけるとありがとうございました、と声が帰ってくる。ご主人は、奥様の介護で一緒にお参りが出来ないのです。私自身も複雑な気持ちで、ご用意してあったお布施をいただいき、次の檀家さんのところに向かいます。あるところでは、ご自身の透析が終わり、まだ時間がたっていない中、ご一緒にお勤めをさせていただきました。色々とお話を聞き、お力にはならないが励ましの言葉をかけ、次のお宅へお伺いします。中学生だったお子達が大学生に、社会人になられたのです。私も年をとるはずです。棚経が終わり立とうとすると腰がグーと痛くなるこの先が心配になる。昔は私住職だけで回っていましたが、今は半数を副住職が回っていますので、体力的には楽になりました。今年も目頭が熱くなりながら棚経参りを終わらせていただきました。

 

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