平成に感謝し令和を迎える。「御十念」のこころ
知人のご住職が亡くなられた。突然の訃報に驚きと深い悲しみである。その方とは、祖山知恩院で大変お世話になった思い出があり、何とも言えない寂しい心境である。しかしこの年になるといつ死んでもおかしくない話しです。心の準備というか、自分自身の葬儀と準備(心構え)はしているつもりでも、いざ身内や身近な友が亡くなることは、まことに寂しいものです。しかしおそかれ、はやかれお浄土でお会いできる。またあれこれと話し美味しい酒を飲みかわしたいものです。
寺の住職がご遷化され弔問に行くと、通夜や本葬で「御十念」料を頂くが、これは弔問会葬に対するお礼ではなく、後日自坊(各寺)で回向をしてもらためのものである。しかし最近能化(住職)の葬儀では戒名紙がないところがある。朝のお勤めで回向ができない。後日寺に帰り回向をしますので、遷化された住職の戒名は必ず必要である。能化(住職)の葬儀は、経験のない弟子に、今日伝え明日でるものではない。普段から住職として伝えるべきことは伝え、準備するものは予め準備が必要です。もちろん法類や組内寺院の協力がなければできないものです。書棚には寺葬の資料があるが、遺弟(弟子)には、場を踏む経験が必要である。要は学ぶ気にならなければ、何の役にも立たない。
ところで、今日から元号が令和となる。「れいわ」という言葉も耳に優しく聞こえがよい、また「れいわ」の漢字も見慣れてきた。前天皇は平成という時代を、天皇として30年間勤めを終えられ、私たち国民に「深い信頼と敬愛を以て行い得たことは幸せでした。」と感謝を述べられた。誠に有難い事です。いつまでもお元気にお過ごし頂きたいものです。令和を歩まれる新天皇陛下は「国民に寄り添い、人々と共に喜び、あるいは共に悲しみながら、象徴としての務めを果たしたい」と語られた。令和は万葉集から、引用ということですが、むずかしいことはわからないが、平成に引き続き戦争がない平和な時代を願いたい、過去や伝統も大切であるが、新天皇は山登りが趣味と聞いていますが、多忙な公務は減らされて、ご自分の趣味も人生もご家族と共に楽しんで頂きたいものです。天皇陛下のご即位を心よりお祝い申し上げます。