コロナ禍の中で
2月以降当山での別時念仏会を中止しています。浄土宗は声に出し、念仏を称えることが教えとなっています。「南無阿弥陀仏」と声を発声することで、飛沫感染になるリスクが高まる可能性があるわけですが、そう考えると、多数の檀信徒が集まる寺での行事が何もできなくなるわけです。当山のような小さな本堂では、ソーシャルジスタンスで2m間隔としますと、15〜20名の席が限界です。もちろん換気を考え、障子や襖の両側を30㎝ほど開けますので、本堂内でも、庭の石畳みや屋根の照り返しで、暑さが厳しい状況です。当寺も多数の檀信徒がお参りできないこの時期に、様々な事を検討し、いかにしてお参りの皆さんが、お念仏を称えられるように工夫しなければならないと思います。府下の新型コロナ感染の状況を見ながら、十月から別時念仏会を再開したいと思います。盆施餓鬼会に引き続き、彼岸会は混雑を避けるため、檀信徒を地域別に時間差をつけお参りしていただくことにしました。以前の様に、本堂でともどもに念仏を称えることもできず、またお茶を飲みながら、笑顔で語ることもできない嘆かわしい状況ですが、コロナ禍の中でも、生まれ育った場所の大切さを思い、一人でも仏壇の前や自分の部屋でも、行住坐臥、いつでも、どこでも、お念仏が称えられるようにして頂きたいものです。法然上人も自分の耳に聞えるほどの念仏で十分だと仰っています。コロナ禍のなかでは、少し控えめにお念仏を称えることも仕方ないことだと思います。こういうときだからこそ、家族や友人やご近所など。人々の絆を深め、お念仏を称えお互い前向きに生きていきたいものです。